
毎日1巻ずつ感想やら考察を書いていく企画16日目。進撃の巨人16巻の感想です。
進撃の巨人16巻のストーリー展開
ヒストリアはエレンに触れたことで腹違いの姉であるフリーダとの過去の記憶の一部を思い出した。
かつての始祖の巨人の継承者であったフリーダの身に降り掛かったグリシェ・イェーガーによる悲劇もロッドから語られた。
巨人となりエレンを食べる選択を迫られたヒストリアだったが、最後は自らの意思で父親の意見を拒み注射器を破壊した。
破壊した注射器の液を父親が舐めると、意思を持たない奇行種の超大型巨人へ変化してしまう。
気になるポイント
フリーダ・レイス
ヒストリアの腹違いの姉で始祖の巨人継承者だった。
レイス家のみの特別な力
始祖の巨人の力を扱うことができる。16巻の時点では始祖の巨人の名前は不明で詳しい能力も不明。
しかし不戦の契りによって始祖の巨人の継承者は思想を初代王に制御されてしまうために、チート能力は使うことはできない。
王族だけが使える力をなぜ使えない?
この時点では伏線になっているが、世界を統一できる巨人の力を手にしても、継承者たちは世界を巨人の支配からなぜか救おうとはしなかった。ヒストリアの姉フリーダも突然人格が変わってしまうというような描写が描かれているが、これは不戦の契りによるもので初代王の思想に囚われてしまい、巨人を倒す力を使うことができない。
雑感
進撃の巨人の設定で面白いところは王族の血筋にちゃんと意味があるという点にもある。
ハンターハンターに登場するキメラアントの王であるメルエムは人間の王について何の才も持たないクズが生まれだけですべてを手に入れる理不尽さに疑問を抱くシーンが描かれるが、実際の王というのはそういうものである。
それが当然という前提もあるゆえ、多くの作中に登場する王というのは権力のみで実質何の才もない人物であることが多い。
しかし進撃の巨人の王族は才能や人格はどうあれ、産まれながらの血筋がすでに特別で選ばれし民であり、まさに王にふさわしい能力と逃れられない境遇にもある。この点の設定は実に面白いし素晴らしい。
16巻あたりは、肝心なところは伏線で謎にしつつ、その上でストーリーの確信に迫るような内容を描いているので初見だととにかく意味がつながらないで読んでてモヤモヤする。しかしすべての意味を理解した後に2回目以降を読むとしっかりと話が繋がっており、それぞれのキャラのとっている行動の意図も見えてきて面白さが増す。
進撃の巨人は2週目以降のほうが圧倒的に面白いですね。
まとめ
これまでの未回収の伏線
・地下室の謎
・ユミルの民とは
・アニやライナーの組織の正体
・壁に埋め込まれている巨人の正体
ワンポイント
16巻の時点では謎になっている部分をネタバレ含めてまとめると・・
フリーダ(ヒストリアの姉)がグリシャ(エレンの父)に奪われた最強の巨人の力の正体は「始祖の巨人」。
名前のついてる特殊の巨人は9体いるが、この時点ではそのあたりのこともすべて謎になっている。
始祖の巨人は、巨人の統率や記憶操作などその他色々なチート能力が使えるが、始祖の巨人の力は王族(現在のレイス家)しか使うことができない。
その王族もグリシャによってロッド・レイス(ヒストリアの父)以外は殺害されてしまったため、現在の王族は隠し子であったヒストリアとロッドの2人しかいない。
さらに問題点があり、王族が始祖の巨人の力を継承しても何らかの力が働き、思想が操作されてしまうため、巨人を駆逐するような行動が取れなくなる。
能力を継承する前までは「世界を救う」と息巻いていても継承した途端にそういう行動が取れなくなってしまう。
これも16巻の時点では謎になっているが、後に「不戦の契り」という初代王の思想によるものだと判明する。
まとめると、世界征服できるチートの力は王族以外は使用不可能で、その王族も力を継承すると、人間が巨人に支配されることを望む初代王の思想に囚われてしまうため実質使用することができなくなる。
16巻時点ではなぜ継承者を食わせる必要があるのかも謎なのだが、巨人の能力には13年縛りがあり、能力継承から13年経過すると能力者は死滅してしまい、死滅した能力はランダムでエルディア人の誰かに継承されてしまうため、能力を敵国に奪われないためにも次の能力者に喰わせ継承させる必要があるということになる。