やまゆり園事件という本を読んだ感想

エスジェイ(@crisisnoeln)です。

 

この事件は当然知ってはいたが詳細に興味があったので読んでみた。

本書は事件から4年が経過し、植松被告の死刑が確定した時点で出版されています。

 

植松は優秀

 

捉え方は人によって違うと思うが、個人的には彼は凄い優秀だと感じた。

大卒で小学校の教員免許の取得までしており絵もとても上手だ。

父親が教員で母親が漫画家らしくまさにサラブレッド的にどっちの良いところも受け継いではいる。

事件前の様子なども書かれているが、友達とのやりとりなど交友関係も良好といえば良好で、事件前には大学サークルの後輩の女性と食事をしならが事件の計画なども話していたらしい…。

後輩はマリファナ仲間だったり事件前は頭もすでにイカれてきているので人間関係も普通ではなく危ないは危ないが、それでもぼくが見てきた周りの人間と比べると非常に優秀で友好関係もしっかりしており社交的だと感じる。

ぼっちとか非リアとかよく言うけど、彼の場合はそういうこととは無縁で俗にうリア充そのものにも見える。

SNSで誹謗中傷をしているネット民のほうがよほど心が病んでいるように見えるし、パッと見は危ないやつに感じる。

 

イルミナティカードやトランプの信者

 

イルミナティカードという予言ができるようなカードがあるらしいのだが、植松はこのカードにどっぷり浸かっていたらしい…。

最近では『コロナは予言されていた』という類なネタがある。いわゆる陰謀論なのだが..

フリーメイソンがどうだとか、某都市伝説で有名なネタなどもガチで信じていたようで数字に強いこだわりがあったようだ。

トランプのような革命家ちっくな人間にも強い憧れがあったようでスーツに赤いネクタイなど格好も真似ていたという。

事件時には自らを「宇宙から来た男」と称していたりと、この辺の話は読むほどにラリっていることが理解できる。

マリファナもやっていたらしく「世界を良くするためにマリファナを合法化するべきだ!」という考えも強く持っている。

死刑が確定した後に「一言だけ良いですか?」と裁判長に質問し、裁判長からダメだと言われて言えなかった言葉があるのだが、この本によると最後の一言で「マリファナを合法にすることで救われる」という類なことを最後の言葉として言い残したかったようです。

 

心失者(しんしつしゃ)の元ネタ

 

植松の作った造語で「心失者」という言葉がある。これは読んで字の如し「心を失った者」のことをさしており、意思疎通のできない重度な障害者のことを指している。

ぼくはこの言葉を聞いたときにキングダムハーツの13機関をすぐに連想させたが、元ネタはまさにキングダムハーツのハートレスだという。(実質同じ意味)

なんと言うか、こういうところからも普通の青年というか僕らと同世代の男で同じ世界、時代に生きている人がやっているんだという妙なリアリティを感じてしまった。

 

事件のリアルが分かる

時系列は犯行直前の計画段階から実行し自首するところまで克明に描かれている。

とくに事件時の内容などはかなり生々しい内容で殺害方法から実際の会話までも記載されており、かなり衝撃的な印象を受けた。

犯行の方法はシンプルでガラスを割って侵入し、用意しておいた包丁で障害者を殺害して行き、職員は階層ごとに別々にいるため1人1人拘束バンドで手を縛り連れ回ったという。

部屋で寝ている障害者を前に「こいつは話せるのか?」と職員に質問し回答次第で殺害していく。
職員が意図に気が付きごまかして回答するも、植松は途中でおかしいと感じ自ら声をかけ意思疎通を測ったという..。

少なからず建物の構造や勤務形態など内部的な情報を知ってないとスムーズにできない犯行もあったと思う。

植松は事件時に「これから厚木(別の地域の施設)にも行く」と宣言していたようだが、働いていない施設ではここまで計画的な犯行ができたのかは疑問である。それくらいやまゆり園での犯行は用意周到だともいえる。

結局は事件後はコンビニに寄って軽食を済まし、そのまま近くの警察署へ自首したという…。

 

一理ある凶悪犯罪だけに考えさせられる内容でもある

 

事件の残酷さや被害者数も考慮すれば今の法律では死刑は逃れられないだろう..。

が、彼の言う「心失者は犯罪をしても罪に問われることはない。そんな者を人間といえるのでしょうか?」という問いは確かに一理あるともいえるだろう。

障害者施設のスタッフの実態なども知るほどに彼の言うことは少なからず正論ではあるとこもある。

犯行動機など思想的な部分は理解できる部分もある。ネット上では肯定意見が多い理由も実態を知れば知るほどに理解が深まる。

障害者遺族も表だってメディアに出る者は限られた者のみで、もちろん植松に対して肯定的な意見を持つ者などはメディアでは取り扱うわけもないが、実態は家族ですらそういう感情を少なからず持っていたりするのも事実だという…。

とはいえここまでの大惨事を一人の人間の考えだけで決めるのは論外だろうし、許されることではないだろう。

単なる気が狂った人による凶悪犯罪者による残虐殺人というわけではないだけに考え深いところが多い事件である。

しかし障害者を殺害すれば世界が平和になるという理屈はやはりどうも理解に苦しむし個人的には多少は共感できる部分はあれど納得はできない。

 

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